生活サポート

半年かかった介護保険申請|介護保険を“拒む親”の心理

ハピ

介護保険の申請って、どのタイミングですればいいの?」──悩む方は多いと思います。
私もそのひとりでした。義母は強く拒み、半年かけてようやく申請に踏み切ることができました。
今回は、その理由と心のハードルをどう越えたか、実体験を交えて紹介します。

きっかけは「足が前に出ない」という一言から

義母すーさんの介護保険を考え始めたのは、

スーさん(義母)
スーさん(義母)

急に足が前にでなくなって歩けない!

と訴えてきてからでした。その理由は腰部の脊柱菅狭窄症によるものでした。

もともと膝、腰の不安はかかえていて病院通いをしていましたが、そのころは義父がまだ健在。いつも義父が支えていたので問題なく生活していました。


支えがあれば歩行できそうでしたが、友人に、「介護保険を使うといいよ」とアドバイスをもらったはいいけど、当時は「介護保険を使う」という発想が家族全員まったくなく、私も病院からのお話がないのに申請していいの?と思っていたほど。

「どのタイミングで申請すればいいのか分からない」──
きっと、多くの人が同じように感じてますよね?

我が家の義母の場合は歩行困難をきっかけに、まずは相談をしてみました。


地域包括支援センターへの相談からスタート

最初に相談したのは、近所の地域包括支援センター
電話で予約を取り、私がひとりで訪問しました。

初回の面談では、センターの方の質問に答えながら、
すーさんの生活の様子や考え方、できること・できないことを細かく伝えました。

このとき、すーさん本人にはまだ内緒。
常に新しいことに拒否感強めのすーさん、拒否されると予測して私だけ相談に。

このあと実際に申請したのは、それから半年後でした。
あまりに時間が空いたため、心配したセンターの方が
「その後どうですか?」と電話をくださったこともありました。
気にしてくれる人がいるってありがたい存在ですね。

相談から半年後に介護保険希望を申し出て、市の職員の方が自宅に訪問し面接。
その後、要支援2と決定され、
ケアマネージャーさんから支援内容の説明を受けました。


半年かかった理由と、その裏にある気持ち

すーさんの申請が半年も遅れた理由は、「家族の事情」と「義母の気持ち」にありました。

①義父が倒れ生活が一変

ひとつは、義父が倒れたこと
義母・すーさんは家の中も壁つたいで歩いている状態でしたが、
いつもすーさんを支えていた義父を「自分のことよりも夫のこと」と、必死に動き回っていました。

私もそんなすーさんと義理父に付きっきりでサポートする日々が続き、
申請どころではなくなってしまったのです。

義父は持病が悪化しいきなり介護度4になってしまったのです。


② 「そんな大げさなこと…」という拒否感と世間体

もうひとつの理由は、すーさん自身の“拒否感”です。
口癖のように出てきたのは、

スーさん(義母)
スーさん(義母)

「近所の人になんて思われるか」

「まだそんなに大変じゃない」

「夫婦で介護認定なんて・・・」

という言葉。
介護保険という言葉にマイナスなイメージがあるのか?予想はしてましたが、なかなか受け入れてもらえませんでした。


壁づたいの歩行と、不安な日常

スーさん(義母)
スーさん(義母)

杖は「怖くて使えない」
歩行器は「恥ずかしい」


そう言って、すーさんは壁をつたって歩いたり、
外出時は私や私の夫を支えにしたりしていました。

しかし、逆に危なっかしく
「転倒してしまうのでは」とハラハラする毎日です。


半年後、ようやくの申請

それでも、少しずつ説得を続けるうちに、ようやく申請に踏み切ることができました。

家族がどれだけ説得しても、すーさんの気持ちはなかなか動かずでしたが、そんな中、転機になったのは病院のリハビリ担当の方にすすめられてでした。

さらに、近所の方たちがみんな“要支援2”でサービスを使っていると知ったことも大きかったようです。周りの目を気にしていたのに、周りもみんな申請済みだったというオチ
「自分だけが特別じゃない」と思えた瞬間、ようやく心のハードルが下がったようでした。

第三者からのアドバイスは、家族の言葉よりもすっと心に届いたようです。

介護保険って、本人のためでもありますが、家族の負担を減らすためでもありますよね

そのことに早く気がついてほしかったけど、本人のプライドの方が勝っていたので家族は苦労しました。


今では、専門家が関わってくれることで「自分たちだけで抱えなくていいんだ」と気づけるきっかけにもなって、本人の“できること”を支える制度でありながら、家族の安心にもつながりました。


認定後もすぐには進まなかったサービス利用

 今現在利用しているサービスは

  • デイサービス(半日を週2回)
  • 福祉用具(歩行器のレンタル)


実は要支援認定を受けても、すーさんは、サービスを使いたがらず
「デイサービスはいかない」と、謎のプライド発動してました(笑)

・・なんのために申請したんだい?と突っ込みたくなる展開。我が家の定番の流れ・・・

結局デイサービスに行き始めたのは認定から3か月後。


なかなか行動しないすーさんを見て、かかりつけの内科の看護師さんから「このままだと本当に歩けなくなりますよ!」と私が叱られるという展開も(涙)

今は、通う決意をし、デイサービスのリハビリと歩行器を使って毎日、朝散歩を継続しています。

そしていま使用している歩行器は、なんと4代目。1年で4回変えました。何事もスムーズにことが運ばないのです〜。歩行器のお話はまた後日改めて記事にしますね。


とにかく今の4代目のお気に入りの歩行器に出会えて、デイサービスのリハビリと、本人の散歩の習慣のおかげで、今では足取りも少しずつしっかりしてきました。
家族以外の人と関わる時間も増え、充実しているように感じます。


介護保険申請を考えている方へ

介護保険の申請は、病院の紹介がなくても自分から相談できます。(その後の手続には病院の先生に記入してもらうところがありますが。)
「まだ早いかな」と思っても、困っているなら、まずは地域包括支援センターへ電話してみてくださいね。

専門の方が、今の状況を聞いたうえで
「申請したほうがいい」「まだ様子を見ても大丈夫」と
的確にアドバイスしてくれます。

私自身、最初の一歩の使うきっかけがわからずに、相談が遅れてしまってもっと早く行動すればよかったかもと思っています。


まとめ

ハピ
ハピ
  • 介護保険申請を迷っているなら、まずは調べて相談を
  • 親が嫌がる場合は気持ちを尊重しつつ、焦らず少しずつ進める

介護保険は“これからも自分らしく生きるための制度”でもあります。
とくに要支援1・2の段階では、「できることを維持するためのサポート」として使うことができます。
一方で、要介護1〜5の方にとっては、生活の安全を守り、家族の負担を軽くするための大切な支えにもなります。

自分たちだけで抱え込まず、行政のサービスをうまく使いながら。
焦らず、寄り添いながら、親の“自分らしい暮らし”を一緒に守っていきたいですね。

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雑食オタク
50代のハピです。 親の生活をサポートするブログを運営しています。 無理せず笑顔で暮らせるよう、便利グッズや暮らしの工夫を紹介中 趣味は推し活
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